『東京アディオス』
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Trailer

Introduction

実在する孤高の地下芸人の半生を描いた前代未聞の超妄想スペクタクル!

大ヒット番組『Mr.マリック超魔術シリーズ』や、衝撃的な連続ドラマ『女王の教室』など、数多くのテレビ番組制作を経て、満を持して映画監督デビューを果たした奇才・大塚恭司によって創られた本作。主演は、大塚監督をして過去35年間で出会った中で最高におもしろい芸人と言わしめる、本人役の横須賀歌麻呂。

舞台は東京、全く売れない芸人たちだけが生息する「お笑いアンダーグラウンド」。そこで、「地下芸人の帝王」と呼ばれる横須賀歌麻呂は、日夜過酷なバイトと全く金にならないライブでの新ネタ作りに追われていた。彼の創作の原動力は、とにかく客を笑わせたいという本能と、絶好調のライブに必ず現れる一人の女性客。彼女の励ましによって、横須賀は単独ライブの大成功を強く決意する。しかし、彼を取り巻く現実はあまりにも過酷だった。やがて横須賀は肉体的にも精神的にもボロボロの状態に追い詰められる。現実と幻想、愛と暴力、破滅と救済、あらゆる矛盾を脳内に抱え込む横須賀、その創作活動は狂気と妄想に取り憑かれていく…果たして、彼を救うものは現れるのか!?

横須賀のミューズでもあるヒロインには、グラビアクイーンとして人気を博し、現在は女優として活躍する柳ゆり菜。ミステリアスな世界観で人々を魅了するアーティスト「水曜日のカンパネラ」のコムアイ。甘いマスクと圧倒的な演技力で映画・テレビで大活躍中の玉山鉄二。超演技派映画俳優の村上淳。演劇界で絶対的な信頼を受ける女優、占部房子。「人志松本のすべらない話」に抜擢され、地下芸人から奇跡のゴールデンタイム進出を果たしたチャンス大城。人気劇団「カムカムミニキーナ」の看板女優、藤田記子。そして、大塚が岡山県の山中から連れてきた神秘の新人俳優、柴田容疑者。脇を固める、いずれも個性あふれる面々の演技にも注目だ。そして、伝説のバンド「東京ブラボー」「KINOCOSMO」のギタリスト、ブラボー小松が初の映画音楽を手掛ける。

Story

もういいや、ぶちまけてやる

東京のお笑い界の極北、アンダーグラウンド。テレビにも出ない、大手事務所にも所属しない、名も知れぬライブだけに生息する芸人たちがいる。彼らは「地下芸人」と呼ばれる。そこで「帝王」と呼ばれる孤高の芸人、横須賀歌麻呂。彼は、自らの芸風をストイックに追求する生き様で、地下芸人仲間から畏敬の念をもたれる存在だ。しかし、その現実は厳しい。バイト生活でアパートの家賃もままならない。そして年一回の単独ライブの経費が重くのしかかる。

彼の創作意欲を支えるのは、ミューズとも言える一人の女性ファン(柳ゆり菜)。彼女の期待に応えるべく、夜ごとネタ作りに励む横須賀だが、次々に襲いかかる困難のために心身はボロボロになっていく。

創作か?破滅か?狂気に取り憑かれた横須賀は、禁断の道に足を踏み入れる。それは、笑いに身を捧げた男が堕ちていく、超妄想劇の始まりだった…

Cast & Staff

横須賀歌麻呂
横須賀歌麻呂
東京の”お笑いアンダーグラウンド”で活動する「地下芸人」の代表的存在。テレビでオンエアできるようなネタは全く無いため、出演歴は皆無。過激な芸風をストイックに追求するその姿勢から、「帝王」と呼ばれている。毎年クリスマスイブに開催される単独ライブには、熱狂的なファンだけが集う。それはまさに「お笑いアンダーグラウンドの祝祭」である。
柳ゆり菜
柳ゆり菜
1994年4月19日生まれ。大阪府出身。2014年にデビュー。NHK連続テレビ小説『マッサン』にて往年の有名ポスターを再現したことが話題を呼ぶ。多くの映画・TVドラマに出演。主な作品に『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(17)、ヒロインを演じた『純平、考え直せ』(18)、『ここは退屈迎えに来て』(18)、ドラマ『べしゃり暮らし』(19)。
占部房子
占部房子
1978年1月9日生まれ、千葉県出身。高校在学中、全国高校演劇コンクール最優秀賞受賞作品に出演。1998年に舞台『夏の砂の上』でデビュー。その後は舞台を中心に活動するほか、映画やドラマなど幅広く活躍の場を広げる。舞台での主な出演作に「CHIMERICA チャイメリカ」(19/栗山民也演出)、改訂版「埒もなく汚れなく」(19/瀬戸山美咲演出)などがある。映画での主な出演作には『バッシング』(05/小林政広監督)、『寝ても覚めても』(18/濱口竜介監督)、『こどもしょくどう』(19/日向寺太郎監督)などがある。
藤田記子
藤田記子
1973年7月17日生まれ、東京都出身。1994年「獅子女ケニアの時代」より劇団カムカムミニキーナに参加。チャーミングな容姿と、ダイナミックな演技で観客を爆笑の渦に巻き込む劇団の看板女優。2008年には劇団拙者ムニエルの澤田育子との演劇ユニット「good morning N°5」を立ち上げる。そのほか芸人ライブに出演するなど劇団外でも精力的に活動中。「イントレランスの祭」(16/鴻上尚史演出)、「偽顔虫47」(18/松村武演出)などがある。また、「どうしようもなくて、衝撃。」(19/澤田育子演出)、カムカムミニキーナ「両面睨み節~相四つで水入り~」(19/松村武演出)、「ストリップ海峡」(20/澤田育子演出)への出演が決まっている。
コムアイ
コムアイ
アーティスト。1992年生まれ、神奈川育ち。ホームパーティで勧誘を受け歌い始める。「水曜日のカンパネラ」のボーカルとして、国内だけでなく世界中のフェスに出演、ツアーを廻る。その土地や人々と呼応して創り上げるライブパフォーマンスは必見。好きな音楽は民族音楽とテクノ。好きな食べ物は南インド料理と果物味のガム。音楽活動の他にも、モデルや役者など様々なジャンルで活躍。2019年4月3日、屋久島とのコラボレーションをもとにプロデューサーにオオルタイチを迎えて制作した新EP「YAKUSHIMA TREASURE」をリリース。
玉山鉄二
玉山鉄二 (友情出演)
1980年4月7日生まれ、京都府出身。NHK連続テレビ小説「マッサン」(14)で主演を務め、大河ドラマ「西郷どん」(18)では桂小五郎役を好演した。2010年に映画『ハゲタカ/大友啓史』で日本アカデミー賞・優秀助演男優賞、2016年にエランドール賞・新人賞を受賞するなど、数々の映画やドラマに出演し、高い評価を得ている。そのほかの主な出演作に「雨が降ると君は優しい」(17/Hulu)、「バカボンのパパよりバカなパパ」(18/NHK)、『ルパン三世』(14/北村龍平監督)、『亜人』(本広克行監督)などがある。また、近年の出演作品に「全裸監督」(19年8月/ Netflix)、「トップリーグ」(19年10月/ WOWOW連続ドラマW)がある。
村上淳
村上淳
1973年生まれ、大阪府出身。モデル活動を経て、93年に映画デビュー。主な出演作に『ヘヴンズストーリー』(10/瀬々敬久監督)、『必死剣鳥刺し』(10/平山秀幸監督)、『莫逆家族 バクギャクファミーリア』(12/熊切和嘉監督)、『希望の国』(12/園子温監督)、『2つ目の窓』(14/河瀨直美監督)、『友罪』(18/瀬々敬久監督)、『空母いぶき』(19/若松節朗監督)などがある。近年の出演作に『ある船頭の話』(オダギリジョー監督・脚本)が19年9月に公開、『初恋』(20/三池崇史監督)などがある。
大塚恭司(監督)
大学在学中に、自主制作映画集団「ダイナマイトプロ」に参加、『爆裂都市 BURST CITY』のスタッフになる。1983年、日本テレビ放送網入社。1989年、企画・構成・演出した『Mr.マリック超魔術』が爆発的にヒット、一大ブームとなる。2005年には初演出の連続ドラマ『女王の教室』が大ヒット。その他の代表作は『雨が降ると君は優しい』『岡本太郎「明日の神話」除幕特番』、深夜映画枠『月曜映画』のオープニング・エンディングタイトル。 2018年、日本テレビ退社。本作が映画監督デビュー作。
ブラボー小松(音楽)
ロックギタリスト。1981年、高木完、坂本ミツワと「東京ブラボー」を結成。今なおファンを増やし続ける伝説的なバンドとなる。90年代の終わり頃参加した「KINOCOSMO」は、ロックとトランスを融合させたバンドとしてレイブシーンを席捲した。サポートメンバーとしての活動も「電気グルーヴ」「ピチカート・ファイブ」「吉川晃司」等々多数。『11PM金曜日』以降、大塚演出番組の大半の音楽を担当。映画音楽家としては本作がデビューとなる。

Comedian

地下芸人の世界
大塚監督による解説

芸人養成所、テレビ各局の「ネタ番組」の誕生によって、2000年前後から、日本のお笑い芸人は激増した。その一方、「仕事がない」「食えない」という芸人が溢れ出し、また、一度売れても次々に新人が出てくるため、あっという間に消えていく芸人も数えきれないほど生まれた。この「芸人難民化現象」の裏側で、売れない芸人達の自主興行ライブでは、むしろテレビ等表舞台では出来ないようなネタを売りにするライブや芸人が生まれた。これが、「お笑いアンダーグラウンド」そしてそこで活動する「地下芸人」誕生の経緯である。

2010年、「エンタの神様」と「爆笑オンエアバトル」が相次いで終了。さらに翌年起こった東日本大震災により、その時点で売れていなかった東北出身の芸人は大多数が廃業、お笑いは一気に「冬の時代」に突入。しかし、もともとブームの恩恵を全く受けていなかった「地下芸人」たちは、何事も無かったようにしぶとく生き残る。

地下芸人には大きく分けて二つの種類がある。一つは、常に「売れたい」という上昇志向を持ちながら、長い期間売れない者たち。もう一つは、「売れにくい個性的芸風」をひたすら極めようとする者たち。本作の主人公、横須賀歌麻呂は後者の代表である。いずれのタイプにせよ、「地下芸人」と呼ばれる者たちの大半は40才を過ぎている。全く陽の目を見ることなく続ける「明日なき芸人稼業」。彼ら皆、並々ならぬ精神力、サバイバル能力、そして強烈な人間力を秘めている。

本作に登場する地下芸人たち
チャンス大城
チャンス大城
沖縄の血筋を引き、兵庫県尼崎市で生まれ育つ。養成所・大阪NSCの第8期生として入るが一旦やめて、第13期生として入り直す。上京して芸人活動を始め、天才的なネタの切れ味で知名度を上げていく。しかし、2009年当時所属していた事務所からの離脱問題と離婚問題が重なり、人生最大の危機を迎える。芸人生命どころか自身の生命も危ぶまれるドン底から、フリーの芸人として復活。そして2018年「人志松本のすべらない話」に大抜擢され、鮮烈なゴールデンタイムデビューを果たした。全身から発散するお笑いオーラ、溢れ出る面白エピソード、奇想天外なネタの数々。芸歴31年、「純度100%の全身お笑い芸人」それがチャンス大城である。
柴田容疑者
柴田容疑者
幼少から「大スター」と「大金持ち」と「スーパーカー」に憧れて育つ。上京して某超大物スターの付き人になるが数年でやめ、ピン芸人になる。駄ジャレを連発する芸風で楽屋の芸人達からは爆笑を取るものの、何故か客前では全部スベるという奇妙な現象が続いた。2006年、芸人を廃業して個人投資家に転身。子供の頃から研究していた株式の知識を生かし、瞬く間に年収一億円超えを達成する。「柴田会」を結成し夜毎売れない芸人達に大判振る舞いをするが、2008年のリーマンショックと持病が重なり全財産を喪失、行方不明になる。今回、大塚が10年ぶりに岡山の山中で発見、東京に連れてきて撮影が実現した。「俺様が存在するこの大宇宙こそがギャグ!」と豪語する超怪人。
大本営八俵
大本営八俵
狂信的な軍国主義キャラクターの漫談家。浴衣姿に旧帝国陸軍の軍帽という奇っ怪な出で立ちで、現代の世相を斬って斬って斬りまくる。キャッチフレーズは「戦後生まれの傷痍軍人」。父は元朝日新聞の記者、母は新宿ゴールデン街バーのママという、思想傾向的に真反対の両親の元に生まれる。古典芸能、歴史、文学、映画、演劇等々、あらゆる芸事に精通し、6時間ノンストップで漫談をやり続けたという逸話を持つ怪物芸人。一度ハマったら二度と抜けられない芸風で、ファンのほとんどは熱心な追っかけ。16年続く地下芸人ライブ『苦肉祭』主催者。お笑いアンダーグラウンドの闇の帝王と言える存在である。
ゆきおとこ
ゆきおとこ
デビューがストリップ劇場、つまり養成所開設以前からのキャリアを持つ地下芸人界のリアルレジェンド。売れた事は一度も無いが、常に前向きな上昇志向を持ち続けるその人柄が、まだ売れてない後輩芸人の心を引きつけて止まない。「ビッグになりますよ」「天下取って恩返ししますよ」が口癖。「伊達男、晴れ男、ゆきおとこです」という前口上から始まり、次々に繰り出される昭和臭プンプンのギャグがファンにはたまらない。俳優としては、2013年『NHK×日テレ 60番勝負』内の「24時間でドラマ対決」で主演デビュー。過去に殺人を犯したテレビプロデューサー役を怪演した。
ユンボ安藤
ユンボ安藤
観客をあっという間に自らの脱力系お笑いワールドに引き込む話術の達人。漫才コンビ「東京ペールワン」のボケ担当、西口プロレスの実況・解説者、そしてパンクバンド「全日本プレス加工」のリードボーカルとしても活動。非常に珍しい「グダ〜っとした感じのマルチタレント」である。その優しい人柄から、「地下芸人の母」と呼ばれる事もある。痛風持ち。東京のお笑いアンダーグラウンド2大ライブ『嗚呼 お笑い東洋太平洋秘宝館タイトルマッチ』『苦肉祭』両方のオリジナルメンバー。自らは『安藤一門会』『関東平野』を主催。バイトも含めて日本一忙しい地下芸人の可能性がある。
元氣安
元氣安
笑いの宗教「おいおい教」教祖を名乗る。真赤なフンドシ一丁に、派手なペインティングを施した顔面、ヨガ行者のように柔らかい身体。浮き世離れしたオーラを発散させながら行なわれる宗教儀式ネタは、どんなお笑いライブでも空気を一変させる。屋外のライブではカルト宗教と間違われて当局から中止を命じられる事もしばしばある。R-1は出禁。音楽活動も精力的で、ボーカルをつとめる「おいおい教バンド」は過激なパンクサウンドで「思想なきスターリン」と呼ばれている。『嗚呼 お笑い東洋太平洋秘宝館タイトルマッチ』のオリジナルメンバー。
三平×2(みひらさんぺい)
三平×2(みひらさんぺい)
日本のあらゆる不祥事をヒット曲の替え歌にして弾き語る、シンガーソングライター芸人。テレビなど公の場でできるネタは一つも無い。以前は流血ドツキ漫才「ペイパービュー」の突っ込み(殴る方)として、見る者を笑わす前に震撼させていた。『苦肉祭』開始当時からのオリジナルメンバー。お笑いプロレス集団「西口プロレス」の看板レスラーというもう一つの顔も持つ。
ハニーベージュ
ハニーベージュ
広島出身、高校の同級生コンビ。ボケの秋本の気持ち悪さに、福間が広島弁の「きしょいの〜」というツッコミを入れるのが特徴。2005年に結成し13年間活動したが、本作撮影後の2018年10月解散、二人とも芸人を廃業した。
比嘉モエル
比嘉モエル
沖縄出身のオタク芸人。以前は漫才コンビ「ぽってかす」として活動していた。2005年、相方の子波津正光が地元沖縄で『お笑い米軍基地』を立ち上げて大ブレイク。当初比嘉も参加していたが、オタク度が強過ぎて秋葉原から離れる事が出来ず、一人東京に残った。その後、相方は沖縄を代表する芸能人、文化人として活躍する一方で、比嘉は東京で完全なるアンダーグラウンドの住民になった。おっさんの割に愛らしいルックスと驚異的な滑舌の悪さ。今なお沖縄のエキゾチシズムを漂わせる異色の地下芸人である。
かずみん(かずみファイブ)
かずみん(かずみファイブ)
芸人養成所、スクールJCA第3期生。卒業後、漫才コンビ「スウィング」を結成し、メジャー路線を目指していたが、2003年に解散。その後、相方がみつからず、事務所にも入らず、芸風は毒を帯びて、地下芸人化が進行する。2004年、キャラクターが大塚恭司の目にとまり、『人類滅亡と13のコント集』で俳優デビュー。その後も『プラトニック』『フレネミー』と大塚演出ドラマの常連俳優になる。2018年からは、らりるRIEとのモノマネユニット「坂上カレン」で再びメジャー路線を目指している。漫談、モノマネ、司会、トーク、演技、何でもこなすオールラウンダー。ライブ『全日本ネタ選手権』主催者。
ルサンチマン浅川
ルサンチマン浅川
徳島県出身。通称、「地下芸人界のおくりびと」。元々は「ルサンチマン」という漫才コンビの片割れだったが、10年間苦楽を共にした相方に、原因不明の突然死という形で先立たれ、ピン芸人となる。芸風は、ルサンチマンの名の如く、怨恨や嫉妬、憎悪の感情が根底にある漫談を得意とする。趣味は食べ歩きで、チェーン飲食店にも造詣が深い。特技は速読。日本唯一の速読芸人を自称している。現在38才。地下芸人としては「若手」の部類に入る。

Comment

下ネタに関してワタシは自信があるほうなのですが、この映画を見て、横須賀歌麻呂にはとてもかなわないと実感させられました。
それは例えば兼業で休日の多い熟女デリヘル嬢が、客を昇天させる技術では、専門職のソープ嬢にかなわないのと同じよーなものであります。
ともあれ、決してお金にならない、下ネタという業を背負って表現していく姿は実に清々しく、
明日も生きていけそうな希望が見えてくるのでした。

たみゃらん。
東陽片岡 (漫画家)
無意味なものに取り憑かれた男が、打開しようとさらに無意味を呼び寄せ、八方塞がりになって破滅に向かっていく、という構成は70年代東映ヤクザ映画の定番ですが、
つまりこれは令和の時代に再構成された、ヤクザの出てこない東映ヤクザ映画。

そのことに気づいたら玉山鉄二のアレは、山城新伍に見える。

河井克夫 (漫画家)
東京アディオスがアホで本当によかった。

もし東京アディオスがアホじゃなかったら俺は立ってられないぐらい泣き崩れていたかもしれない。
もし東京アディオスがアホじゃないとすれば、絶望か。
しかしその絶望を味わった人間だけが見れるキラキラしたアホがこの先にあると信じてる。
哀れでも狂ってても何でもいい。好き勝手馬鹿にしろ。
このまま泣きながら「さよなら」なんて言ってたまるか。
だから俺は東京アディオスを最後まで笑いながら見たんだ。

街裏ぴんく (漫談家)
大塚ワールドへ、ようこそ。

下ネタに全てを懸けた男の生きザマを見よ。
何かを追求する者の心を深く抉る作品。

エロの奥に隠されたその繊細な想いを、ぜひ感じて欲しい。
村上智里 (ブルースシンガー)

われらは持たざる者である。金も権力も魅力もない。

何も手に入らず、すべては誰かのものである。
手の中にあるのは怒りだけだ。不満だけだ。
どうしようもなく爆発したい何かへの渇望、身を焦がす飢えだけなのだ。

それをわれらは青春と呼ぶのである。
柳下毅一郎 (映画評論家)
やはり大塚恭司は只者ではなかった。鬼才である。
今まで何処に隠れていたのだ?
成田尚哉 (企画プロデューサー)
なんて面白い!なのになんて下らない!

地下芸人の下らなさを少しも持ち上げることなく見事に「つまらない下らなさ」として描く監督の手腕に脱帽!
なんて美しんだろう。

藤井裕也 (テレビドラマ監督)
大塚狂司!最高!
倉本美津留 (放送作家)

心の深海に潜む人間の弱さと業を大塚監督が引き上げて白日の下にさらけ出してくれた。

所在なき魂は何処へ向かうのか?
その表現にリミッターはない、そして悲しくも切ない物語だ。
近藤芳樹 (テイチクエンタテインメント プロデューサー)
素晴らしかったです!

猥雑でパンクな、男という生き物の愚かさ・馬鹿さ加減と悲哀に満ちた人間喜劇、人間賛歌の秀逸作だと思います!
自慰行為に耽る玉鉄、役を楽しんでいる村淳、主役はもちろん各キャラクターの粒だった味わい深い演技に感心しました。やはり大塚さんは手練れの監督だなあ~と思いました。
大ヒットするかどうかなんて保証はできませんが…
圧倒的にコアなファンがつく映画である事は保証します!

陣内孝則 (俳優 ミュージシャン)
見たことのないものを見せる超魔術。
見てはいけないものを見せる超妄想。

現実か非現実か。その狭間にこそ笑いと驚きが生まれる。

さすが超魔術を生んだ監督だ。
Mr.マリック (超魔術師)
ふとしたとき人類は壮大なごっこ遊びをしているのではと思ったことがある。
この映画をみてその時の感覚を思い出した。
人は「気がすむため」に生きている。ドーパミンに操られながら。
山本信一 (メディアアーティスト 映像作家(オムニバス・ジャパン エグゼクティブクリエイティブディレクター))

ロックでパンクで演歌なサガに、生き様は祈りのゴスペル!
生きるって大変。でも、生きて生きて生きて!

泥中からの孤高の雄叫びと、監督の愛!
澤田育子 (俳優 脚本家 演出家)